プエルトリコの想い出 後編

朝は8時に起きた私達。スーザンが淹れたてのコーヒーと焼きたてのカップケーキを持ってきてくれた。荷物を整理して、必需品だけ持ってビーチに向かう。

全てを吐き出したお陰か、旅行前から引きずっていた嫌な雰囲気はどこにも無かった。

笑顔で始まった一日は、何があっても笑顔で終わる。

ビーチに着くとびっくりするような美しい光景が飛び込んできた。

真っ白な砂に、透き通る海。
今までに、世界でも有名なダイブスポットなどに行った事があり、透明度の高い海というものは幾度と見た事がある。だけれど、このフラメンコの他と違うところは、お店が建ち並び、観光客でごった返すあの騒々しさはなく、まさに自然のありのままが残されている緩やかな時間が流れているということ。9時前にビーチに着くと、このパラダイスは私達と他数人だけの物となり、贅沢な空間を愉しめた。

ビーチを散策していると、昔アメリカ軍が使っていたと思われるタンクなどを発見。錆びきったタンクには、グラフィティが施してあった。

海で泳いだ後は、柔らかな砂の上でヨガのクラスをした。
今回はベストフレンド3人だけそして、ヨガを日常的にしている3人とあり、私がいつもするヨガクラスとは違った形式にしてみた。

一人一人がそれぞれのポーズを自分の好きなようにガイドしていくと言うもの。初めはぎこちなかったけれども、慣れればまた違った観点でヨガを楽しめる。ガイドをされるヨガクラスは、言われた事をしていれば良い。でも、ガイドをする側に立つと、色々な考えが頭をよぎる。自分の知っている自分、自分の考える他人から見た自分。恐怖、自信、執着、判断。だけれども、絶対的に信じれるものは他人の言葉でも、行動でもなく、自分の奥にある自信と供に出てくる「それ」に違いない。それであって、協調性と自我のバランスを取ることの難しさ。少なからずとも私にとって、ヨガは自分の作り出す限界を物質的に体験する事により、塗り替えさせてくれるツールとなっている。

あーだ、こーだと言ってお互いの良い所を認め合いつつ、このガイダンスはこうすると分かりやすいなど、クラスの後もおしゃべりをしていると、青年ジョナサンがチラシを持って私達に近づいてきた。30分後にタマリンドビーチと言う反対のビーチでシュノーケリングツアーをするのだそう。ウミガメと泳いだり出来るので楽しいという言葉に押され、私達も参加する事に。

私には、シュノーケリング中に溺れかけて死にそうになったという嫌なトラウマがある。もう大丈夫かな?と思っていると、案の定、水に顔を付けるや否や、あのときのフラッシュバックが私を襲った。今回のツアーは1時間。勿論ライフジャケットを着用。でも、呼吸が乱れ、恐怖が精神を打ち勝つ。今回のツアーを断念しようと思ったが、友達二人の「何かあったら絶対に傍を離れない」という強い言葉に押され、自分に挑戦しようと思った。初めは呼吸を整えるのも大変だったけど、常に私を気にしてくれている友達を見て、大丈夫だという気持ちの方が大きくなっていった。

気づけば私が一番はしゃいでいて、ウミガメと一緒に泳いだり、ヒトデを掴んだり、あっという間に1時間が過ぎてしまった。水から上がった後は、二人の支えに本当に感謝したけど、「私達何もしてないし〜!」と笑い飛ばされてしまった。一人で何でも出来ると思ってしまう自分の嫌な癖をこの二人のお陰で認めることが出来たような気がした。一人でする方がてっとり早く、スムーズに進む事は沢山ある。だけれど、人の助けが無ければ、前進しない事も沢山ある。本当に本当に、この旅行に来て良かったなと感じた瞬間だった。

シュノーケリングの後は、本島に戻る為、荷物を取りにホテルに戻り、スーザンに別れを告げ、フェアリー乗り場まで急いだ。5時の便で帰る予定が、客船に異常があり、カーゴでの移動しか運行していないとの事。そのため、カーゴに乗れる人数に限りがあると言う知らせを聞いた。私は翌日朝の便でロスに戻らなければ行けなかったから、この日に島を出なければいけない。二人に、もう一泊していけば?という提案をしたのだけれど、最終日は皆と一緒がいいと言われ、乗れるか分からないカーゴを待つ事に。

5時過ぎにカーゴが着くと、最初の7人がこのカーゴに乗れるという情報を得た。が、私達の一人で丁度7人目だった。二人が乗れなくなる。フェアリー乗り場のおじさんと交渉してみたが、規則は規則だと言うことで、断念。だけれど、最終カーゴには乗れるように話しをつけてもらった。また、来た時のように、反対側の岸でも6時間待たされた。

この6時間で旅の色々な想い出を振り返った。大泣きをして海を渡った1日前が、もう数ヶ月も前のように思えた。きっとそれぞれ色々な思いがあったに違いない。でも、最終日はとことん笑い尽くせた。お店を出ると、ニューヨークから来ていた女の子3人がフェアリーの遅れの為に大げんかしていた。彼女達は夜中2時のフライトで帰るのだそう。なので、間に合うかどうか、みんなイライラしていた。この状況をみて私達は噴き出した。まさに昨日の私達みたいねと。

丸1日遊んで疲れてはいたけれど、10時過ぎにフェアリーに乗り込み、夜の涼しい海風に当たり、心は本当にリラックスしていた。月を眺め、星を見ながら、特に会話する事も無く、それぞれの時間を楽しんだ。

旅の最後は惜しむくらいがちょうどいい。疲れきってクタクタになって、もう嫌だと思うよりも、もう少し遊びたかったなと思って岐路に着く方が私は好きだ。マイアミ経由で帰って来たけど、離陸10分前に嵐と雷に見舞われ1時間程待たされた。だけれど、気づいた時にはロスに着く直前。この五日が1ヶ月の様に思えたけど、意味のある素晴らしい想い出になって、プエルトリコでよかったなと思えた。


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Ria Kuroki

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